研究概要

光ファイバプローブを用いたスペックル速度計
 光ファイバプローブを通してレーザ光を運動粗物体に照射・検出した際に得られる、スペックル強度ゆらぎのパワースペクトル特性を理論的に導出した。スペクトル形状は光ファイバの特性に応じて複雑に変化するが、スペクトル幅と物体速度の比例関係は保たれるため、速度測定に光ファイバが利用可能であることが明らかとなった。

業績一覧のPeer-Reviewed Journals 1-3, Proceedings 1,2
拡散板モデルを用いた多重散乱スペックルの解析
 多重散乱媒質を、入射光に不規則な位相ゆらぎを加えるランダム位相板の集合にモデル化し、これら位相板の運動状態とその結果生じるスペックル場の時空間特性との関係を理論的に解析した。特に、検出光学系の特性が散乱光の強度変動に及ぼす影響を詳細に調べ、微粒子懸濁液を用いた実験を通して光散乱流体計測への応用可能性を示した。

業績一覧のPeer-Reviewed Journals 4-8,11,18,19, Proceedings 3-5
二波長相関法を用いたブラウン粒子系の速度計測
 従来粗面の粗さ測定法として提案されていたスペックル二波長相関法を、流体中のブラウン運動粒子系に適用し、微粒子のランダム運動に影響されずに流体速度を計測できる手法を開発した。また、逆に流れの速度に左右されずにブラウン運動の情報のみを取り出すことも可能であることを明らかにした。

業績一覧のPeer-Reviewed Journals 13,16, Proceedings 6-10
液晶ディスプレイを用いた動体軌跡計測
 液晶ディスプレイをスペックルパターンフィルタとして用いることにより、実時間でマイクロメートル・オーダーの物体移動を測定する方法を開発した。この手法は、物体にマーカーなどを付ける必要がなく、表面に波長オーダーの凹凸をもつあらゆる物体に適用可能である。

業績一覧のPeer-Reviewed Journals 9,10
後方散乱エンハンスメント現象の解析
 レーザ光を多重散乱媒質に照射したとき、逆反射方向に散乱光のピークが生じる現象を理論的に解析した。照射光のコヒーレンスが変化したとき、散乱ピークの形状がどのように変化するかを明らかにし、Van Cittert-Zernikeの定理との類似性を示した。光増幅散乱媒質からのコヒーレント後方散乱についても理論研究を行った。

業績一覧のPeer-Reviewed Journals 17, Proceedings 12
紫外線硬化樹脂を用いた微小光学素子の光学特性
 紫外線によって硬化するポリマー樹脂が硬化の際収縮する性質を利用して作製されたマイクロレンズアレイ等の光学素子に関し、その光学的特性を実験的に調べた。

業績一覧のPeer-Reviewed Journals 20,24, Proceedings 11,14-16

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